Craftsman & Craftsmen Vol.1 前編/KEN THE FLAPTOP

Craftsman & Craftsmen

CRAFTSMAN&CRAFTSMEN VOL.1 前編

こだわりと誇りを持ち日々仕事をしている方達と、
STUMPTOWNプロデューサーである菊池氏との対談
職へのこだわりや情熱をお尋ねしながら、ブーツとの関連性を探りつつ
お互いのクラフトマンシップについて語り合う。

CRAFTSMAN vol.1
KEN THE FLAPTOP
<前編>

What is your occupation?
ご自身の職業は?
PINSTRIPER / SIGNPAINTER

日本ではあまり知られていないピンストライパーという職業。実際に作業している所を初めて見る事が出来た。単純な表現だけど、道具ひとつひとつ味がありとてもカッコ良い。この道具と多種多様な技法を用いて、描いていくという。

KEN THE FLAPTOP (以下 KEN) 「サインペインターは日本ではあまり知られていない職業で人数も少ないと思いますけど、アメリカだと街に一人は必ずいるくらいスタンダードな職業。元々は看板のサインとかグラフィックのペイント作業で、1940年代後期にボンダッチとかエドロスが自分たちの車にその技法を用いて、ペイントし始めたのがカスタムカルチャーの始まりって聞いています。」

KEN 「アメリカに行く度に思いますけど、ヒエラルキーの大きさが違いすぎるというか職人の数が違いすぎて、現実を叩きつけられますね。

それこそ昔から車にライン入れたり、ちょっとしたグラフィック入れたりするのが、割とスタンダードで、オーダーシートがあるほどですからね。
例えば娘に車を買ってあげたら、ドアの所に名前を描くとかがディーラーさんに普通にあるんですよ。お抱えのピンストライパーがいて、それだけで35年ご飯食べているっていう人にこの間会いましたね。
オプションパーツくらいの感覚で車のボディにペイントするってのを考えていると思います。初めて知った時は、さすがにカルチャーショックを受けましたけどね。
60-70年くらい前からそういうのが普通にあったんで、差があるのは当然だと思います。」

カルチャーの違いは当然分かる。だからこその憧れがそこに生まれるのも必然だなと感じた。

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Opportunity to aim at PINSTRIPER?
今のご職業を目指すきっかけは?

どのようなきっかけがあり、この職業を目指そうと思ったのか?

KEN 「昔からアメ車がとても好きで、絵を描くのも好きだったんですよ。ホットロッドのカルチャーをずっと見てきたので、初めは自分で文字を描いてみようと思って、道具を揃えてやってはみたものの、全くできなくて、、、
実は一度諦めました。」

KEN 「当時アパレルブランドのグラフィックをやっていた時もあって、人とは違う内容でプレゼンテーションをしたいと思って、再度挑戦しようと思い、描いてみました。」

KEN 「ホントに絵を描くのが好きなんだなと自分でも思いました。」

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Feeling and pleasure.
クリエイションする上での
こだわるポイントや楽しみ

近くでずっと見ていても、何がどうなっているのか全く分からないほど描き方に様々な技法があるというピンストライプ。その中でのこだわりや楽しみはどこにあるのだろうか?

KEN 「あまり知らない人から見ると、ほとんどのピンストライプが同じに見えてしまうと思うんです。その中で自分らしさというか、スタイルは出していきたいですね。デザインとか、色使いとかで。残るものだし、気持ちも込めて描いているので尚更ですね。」

ブランドにもとても重要な自分らしさ。職人の人達も共通して、この部分にこだわりを持っているんだなと改めて強く感じた。

KEN 「人それぞれの考えがあって、看板だけでやっている人もいるしグラフィックとかタトゥーやりながら、ピンストライプをやっている人とか色々な人がいます。正直ピンストライプだけで食べていくのは厳しいので。アメリカで大型トレーラーばっかり描いている人もいましたね。個人というより企業からの仕事で、屋号を描いたり電話番号とか。」

時代の流れというか、浮き沈みもやはり感じていた。

KEN 「90年代の終わりにそういった仕事がカッティングシートで事足りる様に思われてきちゃって、仕事が激減したんですよ。ただ、ここ最近再評価され始めてきたのか、需要が急激に上がってきていますね。「Sign Painters」というドキュメンタリー映画があって、それがきっかけだと思うんだけど、そこから仕事が増えました。内装をやっている仲間がいて、昔お客さんに勧めてくれたらしいんだけど、見積りを出す前に断られてとか、、。
それが今だと逆にお客さんから話が来るようになってきているのがすごく嬉しいですね。」

描いているところを見ているとすぐ分かるし、感じていたがあえて楽しみを訪ねてみたところ、当然このように話してくれた。

KEN 「やっぱり描いてる時が何より好きだし楽しいんですよ。サーファーの人が板乗るとか、バイク好きがバイク乗るとか、車をいじったりとかと一緒の様な感覚で、描いている時はすごく気持ちいいですね。」

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To the next generation.
次世代の人たちへ
受け継ぎたいこと / 伝えたいこと

伝承という言葉が合う職人技をぜひ未来へ繋いで欲しいと強く思った。

KEN 「前はスクールやってた時期もあって、全国回ってた時もあるけど、最近はちょっと忙しくて回れてないですね。20代の人もいますけど、やっぱり30代の人が多いですね。」

海外だと盛り上がりが尋常じゃないらしい。

KEN 「ニューヨークで大きいカーショーがあって、ピンストライパーが60-70人集まるんですよ。それで、3日間ひたすら描き続ける。元競馬場の場所なので会場はとにかく広くて、人もめちゃくちゃ多いし迫力はスゴイありますよ。その時に13歳の子が、僕が描いている所に来ました。お父さんがかなり有名なホットロッドビルダーの方で、本人がピンストライプに興味があったらしく、ずっと見てくれていました。」

受け継ぎたいこととは、感覚的なところでもある。

KEN 「手書きの良さが一番だと思います。人間の目って結構優れていて、そういうのを察知できちゃうんですよ。よく左右対称でスゴイですね。って言ってくれるんですけど、正確に測ると全く左右対称じゃないんですよ。

例えば、デザイン考えてコンピューターで作って反転させて左右対称にするとものすごくカッコ悪く見えちゃうんですよね。基本的な技法や表現方法がなってないってとこもあるんですけどね。実は僕も20年くらいコンピューター使っていますけど、あくまで仕事の道具のひとつでコンピューターを使って描くってことはした事無いです。」

KEN 「友達の子供で高校生くらいの子がピンストライプに興味を持っているみたいで、その手描きの生っぽさとかがそういった若い子に引っかかっているっていうのはとても良い流れだと思っています。」

強いて言うなれば、若い世代に今伝えたいことが非常に気になる。
とても優しい口調でこのように語ってくれた。

KEN 「決して儲からない職業ですけど、めちゃくちゃ楽しいですよ。
自分の好きなものを描けるという事や、自分の好きな事が仕事になっている。まぁ僕はとにかく何かを描いている時がとても幸せです。
描いている時、いわば仕事をしている時に通りかかった子供さんに何やっているの?って聞かれるけど、絵を描いているよ。としか言えないですけどね。笑」

Craftsman-Craftsmen
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