Danner解体新書 ~上の巻~

2018年も気が付けばもう師走。。。早すぎる。
来年の2019年はどんな一年かと考えてみた。
干支が亥年になる。
平成の年号が終わり、新年号に切り替わる。
STUMPTOWN渋谷店がOPEN5周年を控えている。(2018年の残りと2019年も宜しくお願い申し上げます。)
。。。どれも大事だけど、忘れてはならない重要事項がある。
2019年はなんと言っても、DannerLightが生誕40周年という記念すべき年を迎えるという事。
そう考えると今年もDannerファンである僕たちSTUMPTOWNからは、精一杯Danner製品の良さを
お伝えしてきたつもりだったが、まだ足りていない気がする。
そんなわけで今回は意外にも2018年の当ブログでは初主演のDannerLightを
USA工場から頂いた、DannerLightの貴重な裁断サンプルをご覧頂きながら徹底解剖してみよう。

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どうだろう。。。?
想像していたよりも数倍シンプルな内部構造に驚かれた方もいれば
ブーツの顔立ちがシンプルなゆえ、この複雑さを想像していなかった方もいるはず。
いろいろな御意見もあると思うが、ひとつだけ筆者がこの構造に思うことは 『 合理的 』という事。
それは過去にも何度かDannerLightやMt.Lightなどの代表的なブーツの構造や
一部のパーツについては当ブログ内でも触れているが、これらのブーツは
ワークブーツではなく 『 アウトドアブーツ 』 であり、ユーザーからは
耐久性や堅牢性、履き心地やデザイン性などの他に、ブーツ内部の快適性を強く求められている。
そんなワガママを可能にさせているのが、他でもないこの複数の異素材を見事、合理的に調和させた内部構造なのだと思う。
では、どうのように合理的か?という点については、下の拡大図で検証していこう。

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まずはGORE-TEXのライニングの下に設置された青枠内。
この二層に分かれたベージュのボードにはそれぞれ役割がある。
上の濃いベージュの層は下の画像のように足裏直下のクッションになっている。
GORE-TEXを人間の肌に例えるならば、このクッションの層は言わば脂肪や筋肉のような役割を果たしている。

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そして薄いベージュの層は圧縮した繊維で適度な硬さになっており
クッションの層の形を維持すると共に、GORE-TEXから放出された湿気を
吸収し、最終的にその湿気をブーツの外へと逃がす役割も担っている。
そしてこの適度な硬さが次にご紹介のシャンクというパーツには欠かせない。

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矢印のさきにある、丁度土踏まずの下に設置された、白い板状の部分がシャンクというパーツだ。
ブーツファンなら一度は耳にした事があるであろう、このシャンクなるパーツ。
人間の体に例えるとするならば背骨、もしくは骨盤のようにブーツを支える
主柱のひとつであり、土踏まずのアーチを支える事により、疲労を軽減すると共に
岩場やガレ場の歩行時には踏ん張りの利かない土踏まずのサポートもしてくれる、極めて重要なパーツなのだ。
従って非常に硬い。
このシャンクが前述の濃いベージュのボードに直接的に設置されてしまうと
足裏に違和感や痛みを伴うだろう。
そのために先の濃いベージュのボードは、シャンクという骨を覆う骨膜的な役割も担っている。
まずは履き心地という点で大きく左右させるクッション性とアーチのサポートについてフォーカスしてみたのだが
これだけでも非常に合理的な作りに思えてはこないだろうか。
他にも様々なこだわりのパーツがDannerのブーツには採用されているが
続きはまた次回にしたいと思うので、興味が湧いた方は是非。


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